
雪山で使われてきたかんじきの形状は古来、北上川沿いに広がる北上平野を挟んで東西で大きく違う。東の北上山地側ではユーラシア大陸に通じる縦長タイプ、西の奥羽山脈側では国内独自の小さめな楕円(だえん)形が多いという。「日本はかんじきを使う文化圏の南限」という世界観で国内のかんじきを追う研究者を、岩手県西和賀町に訪ねた。
かんじきは雪上を踏みしめる「足」の面積を増やし、体重を分散することで、足が雪に沈まないようにする雪国の道具。「気候や雪質で形が変わるんですよ」。西和賀町営「雪国文化研究所」研究員の小野寺聡さん(64)は言う。
キツネは足裏1平方センチあたりにかかる体重が70グラム、ウサギは20グラムぐらいという。小野寺さんの試算で人間は同250グラム。「かんじきを着けるとキツネ程度になり、雪上で足が沈まず歩けるようになるんです」

沈みやすさは雪質によって違う。北上山地側は気温が低く、ふかふかのパウダースノーになりがち。沈みやすいので、かんじきは接地面積の広い縦長の形状になっている。日本海寄りの奥羽山脈側は湿った雪が降り、雪の重さで硬く締まりやすいため、比較的小さい楕円形状だ。
形の秘密は他にも。冬も晴れ…






