
「もう泣かない」。天皇、皇后両陛下と長女愛子さまが6日に懇談した福島県双葉町の被災者のうち、山本敦子さん(54)は両陛下と5年ぶりの再会となった。当時は雅子さまとやり取りする間に涙が止まらず、「終わってから反省した」。今回は雅子さまの最初の一言で、和やかな懇談となった。
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山本さんは、両陛下と愛子さまが訪問した東日本大震災・原子力災害伝承館に隣接する、同町産業交流センターでファストフード店「ペンギン」を営んでいる。この日も前日までに仕入れた材料を車に乗せ、避難先のいわき市から約1時間かけて店に到着。予約の弁当づくりや、ランチ営業をこなしてから、正装して懇談に臨んだ。
前回の懇談は2021年4月、コロナ禍のためオンラインだった。同じころ、横浜に避難していた長女の美雅(みか)さん(29)がいわきに戻り、店を手伝うようになった。
「色々大変だったのではないでしょうか」。当時、雅子さまからそう声を掛けられた山本さん。横浜に避難した原発事故当時を思い出した。美雅さんは転校先の中学校に行きたがらなかった。「娘の背中を押しながら、がんばってきました」と雅子さまに答えた。
事故の当初、町民の多くは埼玉県加須市に避難した。「ダメならみんなで加須に行けばいいんだから、がんばって」。美雅さんにそう言って学校に送り出したが、山本さん自身も突然の避難生活に強い不安を抱いていた。「『がんばれ』と美雅に言いつつ、半分は自分に言い聞かせてました」

当時のつらい思いを雅子さまに説明した。雅子さまは優しいまなざしで、山本さんの言葉にうなずいてくれたという。「一人の母親として理解してくださっていらっしゃるんだ」。そう思うと、声が出ないほどむせび泣いてしまった。
「カツサンドを召し上がってもらえることを目標に」
それから5年。今回も懇談の…







