Smiley face
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ユーチューブ「囲碁将棋TV-朝日新聞社-」に笑顔で出演中の稲葉陽八段(左)。右は加藤桃子女流四段=2026年5月16日午後4時46分、大阪府高槻市の高槻城公園芸術文化劇場、佐藤圭司撮影

 第84期将棋名人戦七番勝負第4局(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ特別協賛、大阪府高槻市など地元共催)が5月16、17日に高槻市の高槻城公園芸術文化劇場で指され、藤井聡太名人(23)=竜王・王位・棋聖・棋王・王将と合わせ六冠=が挑戦者の糸谷(いとだに)哲郎九段(37)に勝ち、4勝0敗で防衛を果たした。4連覇達成となった一局を、糸谷九段を修行時代から知る副立会人の稲葉陽八段(37)が振り返った。

  • 0勝4敗で名人戦を終えた糸谷哲郎の花 兄弟子山崎隆之が語ったこと

 「AI(人工知能)に頼らず、力戦で行く」と宣言して名人戦を戦った糸谷九段が、第3局に続き、第4局でも藤井名人を苦しめたと思います。

 特に本局は「藤井名人に攻めさせる」という方針を徹底しました。例えば、封じ手で糸谷九段が端歩を突いた手(48手目△1四歩)。

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図・△1四歩まで

 こう指せば、藤井名人が▲1五歩と端も絡めて攻めてくるのは容易に想像がつくのですが、相手に攻めてもらって活路を見いだそうとしたわけです。藤井名人を相手に「攻めさせる」のは胆力が要ると思いますが、本局では実際に「場合によっては勝てる局面」を作ることに成功しました。徹底してやることの凄(すご)さが、私には勉強になりました。

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立会人の桐山清澄九段(右手前)が読み上げた封じ手を指す糸谷哲郎九段(同奥)。左は藤井聡太名人=2026年5月17日午前8時57分、大阪府高槻市の高槻城公園芸術文化劇場、岩下幸一郎撮影

 第4局の序盤で糸谷九段は「第2局でやりたかったけれど藤井名人に変化されて実現しなかった形」に誘導しました。終局後、糸谷九段は「相手が飛車先の歩を交換して、後手は矢倉、先手は雁木(がんぎ)調の将棋になる。せっかく構想を作ったので、投入した」と振り返りました。本局も、序盤早々から前例が少ない、お互いに構想力が問われる将棋となりました。近年のタイトル戦ではなかなか例を見ない、面白いシリーズだったと思います。

 本局は2日目午後、藤井名人…

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