【GLOBE特集】思わず笑った その先に(7)=全7回
『ヘンな論文』(角川文庫)などの著書を通じ、学術論文をエンターテインメントとして素人向けに紹介してきた、学者芸人サンキュータツオさん(50)。「人文版イグ・ノーベル賞」ともいえる活動をしてきた「笑い」の専門家に、イグ・ノーベル賞について、ユーモアをめぐる最近の社会の変化について、語ってもらった。
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――『ヘンな論文』とその続編『もっとヘンな論文』(ともに角川文庫)では、学術論文になじみのない読者向けに、珍しい論文を発掘してその「面白がり方」を紹介してきました。イグ・ノーベル賞のコンセプトとも重なる部分があります。
イグ・ノーベル賞は1990年代にできたものなので、話題としては知っていたんですけど、どちらかというと自然科学系の論文が多いので、人文系の僕としては「どこかちょっと向こう側の話かな?」なんて思いながら見ていました。
僕自身は大学院生の時代に「ちょっと自分の研究以外の研究論文を読んで頭をほぐしたいな」というようなときに、図書館でいろんな論文を読んでいたんです。「こんなことやってる人がいるんだ」っていう、まあ、息抜きとして面白い研究論文とか探し始めたんですけど、結果的に自分がやってることって、イグ・ノーベル賞の人文版みたいなものなんだなって思っていましたね。
ある研究者の論文1本だけでは「点」なので、「何やってんだ、この人?」っていう見え方すると思うんですけど、「この研究者はいったい何を明らかにしたくて、どういうことに挑んでるのか」っていう「線」で業績全体を追っていくと、「ああ、そういうことだったんだ」と腑(ふ)に落ちることがあるんです。
一歩引いて面白がってみる筋肉
ただ、論文って普通の人にはちょっとハードルが高いこともあって、真面目に勧めたところで、なかなか読んでいただけない。その点では自分も芸人をやっているので、僕なりの紹介の仕方で面白く読んでもらえるように紹介して、最終的に学問の奥深さに気づいてもらえたらな、という思いでやってました。
研究者は大真面目に研究対象に向き合っているけど、それを引いて見たときに「これ、笑える」って指摘する人がいた方がいいだろうと思うんです。
――メタ視点を一度挟むということですね。
ユーモアってやっぱり対象と…






