
うたをよむ 小林貴子
朝日新聞歌壇俳壇面のコラム「うたをよむ」。朝日俳壇選者の小林貴子さんが、2025年に発表された俳句の中から、感銘を受けた十句を紹介します。
二〇二五年に発表された俳句から、私が感銘を受けた十句を紹介しよう。
〈年新た眼(まなこ)に獣宿す子ら 堀田季何(きか)〉。荒々しさや心の不満や本能が、眼に宿っている。この獣と共に生きてゆく。
〈城見えて艪(ろ)を漕(こ)ぎ流す花見舟 三村純也〉。城の堀川か。すっと艪を引き、舟は自然にゆったり進む。花見気分が高まる。
〈春うきね蓬萊島(ほうらいじま)へ流されん 西村麒麟(きりん)〉。不老不死の霊山で竹取物語に登場する蓬莱島。ぷかぷか流れて行ってみたい。
〈畔(あぜ)北側の残雪しる…














