
平安京遷都までの約10年間、都が置かれた長岡京(784~94)の中枢部、長岡宮の跡(京都府向日市)で、古代に鋳造された複数枚の銅銭が見つかった。ひもを通して束ねた「さし銭」状態での出土は、宮のエリアでは初めてという。府埋蔵文化財調査研究センターが20日、発表した。
長岡京は、桓武天皇が奈良の平城京から遷都。長岡宮は現代でいう皇居や国会議事堂などが置かれた重要な場所だった。
発掘調査は宮の西端にあたるとされる場所で行われ、さし銭は溝の遺構から出土した。奈良・平安時代に鋳造された12種類の「皇朝十二銭」のうち、奈良時代に発行が始まった万年通宝と神功開宝が含まれているとみられる。
長岡京の跡では過去の調査で、有名な和同開珎も含めた皇朝十二銭のさし銭が見つかっているが、宮では例がなかったという。地鎮などの祭祀(さいし)に用いられた可能性もあるが、現時点でははっきりとした用途は分からない。兵庫埋蔵銭調査会の永井久美男代表は、「10年間の都の中から奈良時代のお金が出てきたことが重要。流通銭の実態が分かる」とみる。
センターは、長岡宮のエリアでは類例のない一本柱塀の跡とみられる遺構があったことも発表。南北に52メートル以上の柱穴の列を検出したという。宮の西辺や何らかの施設を区画する目的でつくられた可能性もあるという。25日午後1時から一般の人向けの現地説明会を予定している。







