
盛岡市が廃止、縮小などを含め123の事業を見直す方針を示した。2030年度までに市の貯金に当たる「財政調整基金」を使い果たし、同年度の歳入が約37億円足りなくなることが、8月にまとまった「中期財政見通し」で明らかになったためだ。だが見直し対象には高齢者や子育てなど生活に身近な事業も多く含まれ、市民や議会から批判が高まっている。
市は10月の市議会全員協議会で見直し案を公表した。対象は市の単独事業が中心で、廃止や規模縮小、統廃合、内容見直しなどで約7億6千万円の削減を見込む。
25年度の一般会計当初予算は1242億円。約5億円の歳入不足で、約43億円の財調基金から取り崩した。今後も歳入不足が続く見通しで、厳しい対応を迫られる。複数の事業を今年度限りで終わらせるほか、123事業の大半を今後2年間で見直していく。
見直し対象には、今年約6500人のランナーが全国から参加した「いわて盛岡シティマラソン」や49回の開催実績がある「盛岡・北上川ゴムボート川下り大会」などの大型イベントの負担金、年2回無料で使える敬老バス事業や高齢者向けの配食サービス事業、町内会などが日帰り研修する際に無料利用できる地域バスなども含まれる。
市はこれまでに関係団体と協議を重ねてきた。反対や慎重意見などが出た32事業について協議、検討を続けるという。シティマラソン実行委は大会継続に向け、市の負担金に頼らない体制づくりを検討しているという。
内舘茂市長は記者会見などで「財政調整基金が枯渇しマイナスになる状況にしてはいけない。より優しくより強い盛岡を実現していくため、人口規模が縮小しても持続できる財政基盤、少ない職員でも市民サービスを提供できる体制が絶対に必要だ。市民、団体、議会の意見を聞いて判断していきたい」と説明している。
見直し案について、市老人クラブ連合会は「会員の楽しみを奪うもので受け入れられない」、市私立保育所協会も「弱者の犠牲の上に成り立つ財政縮小は賛同できない」と反発している。
市議からは「もう少し時間をかけて慎重に進めるべきだ」「あまりに唐突すぎる」「職員削減など身を切る行革を先にやるべきだ。切りやすい事業から手を付けた印象」など厳しい意見が出ている。
補助金なくなれば「通わせるの厳しい」
低所得者世帯に助成されてきた「放課後児童クラブ利用料補助金」も、見直しの対象になった。2024年度には市から212人に約2372万円が助成された。具体的な削減額は「調整中」として示されていない。
「見直しのニュースを見てびっくりしてしまった」
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