5月12日付朝日歌壇の入選歌40首をお届けします。選者は馬場あき子さん、佐佐木幸綱さん、高野公彦さん、永田和宏さんです。☆印は共選作です。
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馬場あき子選
ゑみたたへ円空仏はおはします流るる渦の木目のみ面(箕面市)大野美恵子
つつがなく白内障の手術終え星もさやかな今夜のさくら(宇都宮市)手塚 清
春来たりトラクターから鍬までを展示し賑わう大農具店(舞鶴市)吉富 憲治
首だけのマネキンばかり並んでて帽子専門店の憂鬱(前橋市)ナカムラロボ
園児等が怖怖のぞく蟇(ひき)の卵入園式に一気に孵(かえ)る(戸田市)蜂巣 厚子
ウクライナのヒマワリの種も祝福にやくだつことをねがっていたはず(盛岡市)山内 仁子
寂しげな犬の表情から思う「散歩のときはスマホを止(や)めて」(南魚沼市)木村 圭
声張って短いセリフ言い終えし「モグラ1」なる吾子のにこやか(光市)永井すず恵
カンガルーの皮の三味線あるなんて知らなかったな害獣ってことも(東京都)伊東 澄子
実家には黄金時代の痕跡の十人用の大鍋がある(綾瀬市)小室 安弘
【評】第一首の円空仏はよくうたわれる題材だが、今日のように戦争もあり生活の状況もきびしい日常感の中ではほっとする。下句の渦の木目の発見がいい。第三首の大農具店の豪快な展示、第四首の帽子専門店の光景なども面白い視点。
佐佐木幸綱選
おおき腹ずしりと据えて黒豚…
