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 インフレ(物価高)が続く日本。物価が下がるデフレから抜け出したことを、政府や日本銀行は「好循環」に入りつつあるとして前向きにとらえる。だが、マクロ経済学を専門とする斉藤誠・国学院大教授は、そうした考えに疑問を投げかける。

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インタビューに応じる斉藤誠・国学院大教授=2026年9月25日、東京都内、内藤尚志撮影

 ――物価が上がる現状をどう評価していますか。

 「消費者物価指数が上がったか、下がったかだけで、経済の状況は判断できません。一つの指標だけでなく、賃金や輸出入価格、金利がどう動いているかも、あわせて見る必要があります。実質賃金は2025年まで前年を下回っていました。物価と賃金の『好循環』は起きていなかったということです」

 ――実質賃金は今年に入り、前年を上回るようになりました。

 「補助金などの政策で物価上昇が抑えられた面も大きい。賃金統計の調査対象の入れ替えが影響している可能性もあります。実質賃金は四半世紀にわたって低迷してきました。短期の改善だけで本格的な回復基調に入ったと判断するのは難しいと思います」

 ――物価と賃金がともに上がる「好循環」は、政府と日本銀行がめざしてきたものです。その状態に近づきつつあるとはいえませんか。

 「その好循環を、経営者や政府が掲げるのは違和感があります。賃上げの原資は、本来なら労働者の生産性向上分でまかなうもの。しかし政府は、賃上げしたらその分の値上げは構わないと、経営者にお墨付きを与えてしまった。すべての企業がそれをすれば、賃上げと同じか、それ以上に物価も上がる。実質賃金が上がるはずがありません」

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 ――どうすれば実質賃金は増…

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