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ソフトバンクの小久保裕紀監督(右)の誕生日を祝った長男の直紀さん=直紀さん提供
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 5年ぶりの日本一に輝いたプロ野球ソフトバンク。小久保裕紀監督(54)は就任2年目で頂点に立った。その長男・直紀さん(28)は、父の言葉に背中を押されて新しい道を歩み始めた。

  • 「だから絶対に日本一を達成する」 長男が記憶する雪の日の父の姿

 ――小久保監督の10月8日の誕生日を一緒にお祝いしたそうですね。

 「リーグ優勝を兼ねて食事に行きました。去年はレギュラーシーズン中も食事に行ったんですが、今年はこれが初めて。最下位になった時期もあったので、本人にも『大変そうだったのでずっと連絡ができなかったよ』って言いました」

 ――どんなお話をされたのですか。

 「僕の仕事と野球の話が中心でした。今年の夏にアスリートやタレントのマネジメントを担う会社を立ち上げたのですが、父には伝えていませんでした。ソフトバンクがリーグ優勝したときに(メディアに取り上げられて)会社のことを知ったみたいで。でも、父がソフトバンクの監督、日本代表の監督になったときも、僕はニュースで知りました。だから逆だねって話をして、父も笑っていました」

 「父からは『努力を惜しまず、やり続けることが成功の秘訣(ひけつ)やから。途中で何があってもあきらめず、最後までやりきれ』と言われました。本当に一つのことをコツコツやれる人なので、説得力が違いますよね」

 ――一般的に父からの言葉は耳が痛くなることも多いと思います。煩わしさはありませんでしたか。

 「思春期の頃は正直、そういった時期があったかもしれません。でも、大人になるにつれて言っていることが理解できるようにはなってからは、自分の言葉を曲げることをしないタイプで、ちゃんと結果を出している背中をいつも見せてくれているので、誰よりも尊敬していますね」

 ――直紀さんから見た父はどんな人ですか。

 「けっこう寡黙ですよ。まあ、関西人なので話すと普通におもしろいですけど(笑)。お酒は僕も父も強いので、2人でワインボトルを2、3本空にしますね。でも、(子どもの頃に)スポーツを一緒にやっているときはテンションが高くなっていました。例えば、キャッチボールをやっているときに、僕がいいボールを投げたら『それ、ええやん!』って、大きい声でほめてくれる。サヨナラ勝ちのときに喜んでいる顔がテレビに映し出されますよね。スポーツ以外でああいう表情って見せないので、スポーツに対して本当に熱い思いを持っている人です」

 ――子ども時代にほめられた経験が会社経営など「挑戦する」という向上心につながっていますか。

 「父にほめられるために何かするというのはないです。ただ、父は自由に物事をやらせてくれました。小学校4年で野球をやめて、サッカーを始めるときも『おまえのしたいことをしたらええ』って言ってくれました。高校で英語を学ぶために留学するときも驚かれはしましたが、反対はされませんでしたね。結果として、いつでも挑戦していいんだよと教えられた気がしています」

 ――今後の夢、人生設計についてどう考えていますか。

 「僕のアイデンティティーは『野球選手の子ども』というのが一番先にくる人生でした。親が有名人ということで、自分探しに苦労した事もあったので、みんなが自分の形でアイデンティティーを持てるようになるというのが大きなテーマにあります」

 「その一環として今回の会社を立ち上げ、アスリート、タレントの新しい道筋をつくるという挑戦をしています。YouTube活動もその一つ。もっと規模を大きくして、すべての収益を子どもの夢や挑戦に関わる事に還元できればと思っています。自分を通して人を幸せにしたいという気持ちがすごく大きい。今はワクワクしかないです」

 こくぼ・なおき 1997年生まれ。福岡市出身。父はプロ野球ソフトバンクの小久保裕紀監督。小学4年まで野球を続け、その後はサッカーをしていた。東福岡高校に進学後、留学を決意して米国とカナダで約3年を過ごした。歌手活動や通信事業経営などを経て、現在は今夏に立ち上げた合同会社「TALENZA」のCEO。

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