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 トランプ政権と国際情勢のゆくえを占うアメリカ中間選挙の投開票が11月3日(現地時間)に迫りました。移民・難民問題に取り組んできたライターの望月優大さんが注目するのは、南部テキサス州の上院議員選と知事選です。世界が見守る接戦を、米ニューヨーク在住の視点から読み解きます。

写真・図版
民主党のテキサス州上院議員候補タラリコ氏、10月27日(右の写真)。同州知事候補イノホサ氏、29日(同左)=ともにロイター

Re:Ron連載「望月優大 アメリカの観察」第5回

この記事のポイント

・ヒスパニックや若者などが離反
・「左右」ではなく「上下」を対抗軸に
・上院に加え知事選も久々の激戦に

 アメリカの中間選挙が目前に迫ってきた。トランプ政権の支持率が停滞を続ける中、共和党側の候補はおおむね苦戦を強いられ、大統領個人の深まる不人気から距離を置こうと苦心を重ねている。従来は盤石だった「赤い州」の足下も大きく揺らいでいる。

 この2年近くでトランプは関税や戦争など、自分から仕掛けた失策で政治的資源を浪費し、政権発足時の勢いを短期間でみるみる目減りさせた。共和党の議員らも大半はそんなトランプに従属し、多少の異論を時折ほのめかしつつ、抵抗の意思をほとんど見せなかった。

 米国第一を主張するMAGA派からビリオネア、そして固定ファンから無党派層まで、様々なグループがトランプ支持に相乗りし、各自の思惑から期待をかけ、制御し、操縦しようとしてきた。中には巨大な果実を手にした者もあっただろうが、失望感だけを得た人も少なくないだろう。

 かつてバイデンやハリスに対して外から攻撃していたときには有効だった「経済」や「インフレ」といった論点は、トランプ自身が政権側に入れ替わった結果、そのままスライドして自らの深刻な弱みになった。元から水増し気味だった期待は、急速に剝(は)がれ落ちた。

■ヒスパニックや若者などが離反

 選挙に勝つことと、統治することは違う。2024年の大統領選では従来の岩盤支持層に加え、ヒスパニックや若者などの一部でトランプ側へのシフトが発生したことが注目された。だが、トランプと共和党は新たな支持層からの信頼の維持に失敗し、むしろ離反させた。

 ニューヨーク・タイムズの世論調査(2026年10月)によると、ヒスパニックのうち今回の中間選挙(下院選)で共和党候補に投票するとした人は31%にとどまり(民主党候補は61%)、18~29歳で民主党支持か民主党寄りと答えた人は2年前の55%から70%まで伸びた。

 同じ年齢層では、大統領としてのトランプの仕事を承認すると答えた割合はわずか16%で、「アメリカの抱える問題があまりにひどく、国として失敗しかねないと恐れる」割合も2年前の38%から53%に高まっている。「購入者の後悔(buyer’s remorse)」とも呼ばれる空気は、じわじわと広がっている。

 とはいえ、中間選挙での政権与党側の苦戦はたびたび見られることだ。「青い波」が起きるとして、どの程度の大きさになるか。現在は大統領に加え、上下院ともに共和党側が支配しているが、可能性が高いとされる下院(435議席)の奪還に加え、上院(100議席)までも民主党側が多数を押さえる事態となれば、トランプ政権の影響力低下は一層進むだろう。

■■「左右」ではなく「上下」…

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