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撮影中、山中で話を交わす十川雅司監督(右端)ら=本人提供
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 徳島県藍住町出身の映画監督、十川(そがわ)雅司さん(32)=東京都調布市=が北海道を舞台にアイヌの短編映画2本を制作した。うち1作は今年3月、日本国際観光映像祭2025(日本国際観光映像祭実行委員会主催)の旅ムービー部門で最優秀賞を受賞した。

 作品はアイヌ語のタイトルで「urar suye(ウララ スエ)」と「cupki mawe(チュプキ マウェ)」。いずれも北海道釧路市阿寒町の阿寒湖アイヌコタン(コタンはアイヌ語で集落)で撮影。アイヌ文化に関心を寄せてもらう事業として市から委託を受けて制作したものだ。無料配信されており、2作の再生回数は計16万回を超えている。

阿寒町の住民そのまま配役

 当初、十川さんはアイヌのことは学校の授業で習った程度の知識しかなかった。映画を撮ることになって、関連書籍を読み込み、アイヌが多く暮らす阿寒町にも2週間ほど滞在して、エカシ(アイヌの長老)ら十数人から、アイヌの工芸や歌、集落の歩み、身の上話に至るまで聞き取って脚本を作り上げた。その土地の人に演じてもらうことにもこだわり、インタビューした住民をそのまま配役した。

 作品2本は一つの物語で、夏編、冬編の2部構成になっている。主人公は、東京で音楽活動に打ち込む若い女性のユカリ。将来への希望を見失う中、友人のいる阿寒湖畔を訪れ、そこで出会ったアイヌの人々や、阿寒の大自然に触れて自分を見つめ直すストーリーだ。

 十川さんが現地で印象に残っ…

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