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今年刊行された「北海道現代史 資料編1」

 今年3月、北海道庁が手がける新しい道史「北海道現代史 資料編1」が、ある記録に光を当てた。樺太(現・サハリン)などから引き揚げ者を迎えた函館港で1947年、22人の女性が当時原則違法とされていた中絶手術を受けた可能性を示す文言だ。

 「人工流産を要せし者」

 北海道大学専門研究員の木村由美さん(52)は2020年秋、函館市の図書館の所蔵資料にその文言を見つけ、衝撃を受けた。「函館でもあったのか」

 引き揚げ時に性暴力などで望まぬ妊娠をした女性を想定し、中絶手術を施す枠組みは全国の港でつくられていた。

 木村さんが閲覧した資料は、1946年末から49年まで、樺太・千島などから計約31万人を受け入れた函館引揚援護局の業務月報に当たる「局報」。「人工流産を要せし者」の数を足し合わせると、1947年7~12月に22人に上った。

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北海道の戦後史を研究してきた北海道大学の木村由美専門研究員=2025年7月5日午後2時57分、北海道苫小牧市、榎本瑞希撮影

 道も作成に関わった「樺太終戦史」(1973年)には、ソ連軍進駐時の性被害についての記述がある。

 中心都市の豊原(現ユジノサハリンスク)では警察署長が「一般婦女子を守るため」に遊郭の再開を決定。接客婦が足りないとして、防空監視任務についていた女性にも話が持ちかけられた。

閉鎖された遊郭、相次いだソ連兵の暴行

 ところがソ連軍は遊郭を認め…

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