売れ残っていたふた付きのかめ、ぬかどこすけが買われ、中に詰め込まれたぬかどこねえさん。漬けもののにおいが漂ってきそうな絵本「ぬかどこすけ!」について、作者のかとうまふみさんに聞きました。
【動画】絵本「ぬかどこすけ!」の誕生の経緯を語るかとうまふみさん=伊藤宏樹撮影
母は私が小さいころ、自分で梅干しやたくあんを漬けたり、みそを造ったりしていました。今でいうオーガニックにこだわり、食品添加物に割とうるさい人でした。食べ物が発酵でおいしくなる過程を近くで見ていましたが、お弁当がほぼ茶色なのがいやで、当時は家で作るものにそんなに魅力を感じていませんでした。
「ぬかどこすけ!」の前年に「おにぎりのひみつ」(フレーベル館)という絵本を出しました。創作中に、訪れる人におにぎりや漬物を用意して悩みを聞いていた青森県の佐藤初女さん(2016年死去)の本を読み、ぬか漬けを作るのが楽しい、というお話があったんです。

私はそれまでに何回かぬか漬けを作ったことがあったけど、なかなか続かなかった。何が楽しいのか、よくわからなかった。でも、うまくいかなくてもいいんだと思うと気が楽になり、だんだんおいしい漬物が漬けられるようになって。発酵の世界って面白いな、と思い始めたんです。のんびりとぬか漬けを作りながら、2、3年かけてお話の種がふくらんでいきました。
現代人が忘れかけたもの「ぬかどこねえさんなら知っている」
当初、編集者の方に「発酵についての絵本を作りたい」と相談したら、「発酵ですか?」と驚かれました。でもやがて「ぬか床をテーマにした絵本はないですよね。面白いかもしれない」と言ってくれて、ラフスケッチに取りかかりました。
ぬかどこすけは私自身だと思…




