紙の本の流通をめぐる環境が悪化している。なぜ悪化しているのか。四つの要因をまとめた。
(1)出版不況
紙の出版物を取り巻く状況はかつてないほど厳しい。そもそも、本離れは進んでいる。出版科学研究所によると、電子を除く紙の出版物の推定販売金額は年間1兆円ほど。ピーク時の1996年には2兆6千億円超あったことから、30年弱で6割ほど売り上げが減少したことになる。
これに伴い書店離れも進む。日本出版インフラセンターによると、2000年代初期に2万店超あった書店は、足元の25年に1万店割れ。約9900店舗になった。本が売れず、書店も減るという負のスパイラルに陥っている。こうした事情を背景に、物流の効率性がさがるため、物流費の負担が相対的に重くなっている。
(2)出版流通をめぐる業界の慣行
日本の書籍流通は独特だ。主に二つの制度のもとで運用されている。
一つが再販売価格維持制度(…






