会議室に、怒りのこもった静かな声が響いた。
「なんで北海道アイヌ協会だけに謝罪するのか。我々以上に、熱心に取り組んできた人たちがいる」
8月3日。アイヌ民族の遺骨研究をめぐり、北海道大学が道アイヌ協会の会合に出席し、初めて直接謝罪をした。
「謝罪はスタートラインに過ぎない」。一人のアイヌ民族の言葉です。連載シリーズ「アイヌモシリをたどって」の第7弾では、課題が山積する遺骨返還問題のこれからを考えます(全5回)。
北大は1930年代から道内各地でアイヌ民族の墓から遺骨を持ち去り、保管し、研究してきた。その保管数は一時期1千体を超えていた。
会合で、宝金清博総長は「真摯(しんし)に反省し、心を痛めたアイヌの人々に心からおわび申し上げます」と述べた。
だが、アイヌ協会理事の一人、山丸和幸(78)は食い下がった。

「(遺骨問題で)活動してきている人たちは、北海道アイヌ協会と距離をとられている人が多い。機会をつくって、こうしたアイヌへの謝罪の場を設けてほしい」
ここまで述べたところで、身内である協会側から「ほかの団体に関しては協会は関与すべきではないので、発言は控えてほしい」と制止された。
翌日。道アイヌ協会が、小川哲也理事長の名義で声明文を出した。
「勇気をもって、声明を出す…
