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英調査会社オックスフォード・エコノミクスの在日代表を務める長井滋人氏=2026年9月16日、東京都港区、江渕崇撮影

 グローバル化の恩恵で安い商品があふれた時代と、みんなを幅広く底上げする金融緩和の時代が、ともに終わりを迎えつつある。同時に、インフレと人工知能(AI)の普及は、持つ者と持たざる者の差が広がる「K字形」経済への移行を加速させている。

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 そんな時代のマクロ経済政策の姿をどう見通せばいいのか。日本銀行出身で英調査会社オックスフォード・エコノミクス在日代表を務める長井滋人氏に聞いた。

 ――インフレ加速への警戒感から、日米欧の金融政策が、いずれも利上げ方向でそろっています。約20年ぶりのことです。

 「20年前との最大の違いは、世界的なマクロ経済のレジーム(体制)が転換している点です。2001年の中国のWTO(世界貿易機関)加盟から20年のコロナ禍前まで、サプライチェーン(供給網)の最適化により物価が上がりづらくなる『ディスインフレの時代』でした。各国の中央銀行は需要を調整することにより、インフレ目標への物価水準の引き上げをめざしてきました」

 「しかし今は、米中対立や経済安全保障を背景としたブロック化、相次ぐ紛争によるサプライチェーンの目詰まりにより、非効率化とコスト高が進んでいます。インフレ的な供給ショックが常態化するレジームへと一変したのです」

日銀、円安対応の利上げ継続へ

 ――その「レジーム転換」を経て、日銀の立ち位置も大きく変わりました。

 「かつて日銀は過度な円高を恐れて大規模な金融緩和を強いられましたが、今は一転し、過度な円安を抑えるための利上げに追い込まれています。『為替市場に押されて金融政策をやらざるを得ない』という構図では共通していますが、『円高対応』か『円安対応』かの方向性が逆になりました」

 「市場を失望させないためにも、日銀は3カ月ごとの利上げペースを維持するとみます。来春闘の動きも見極めた上で、政策金利は1.75%程度には引き上げられるでしょう」

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英調査会社オックスフォード・エコノミクスの在日代表を務める長井滋人氏=2026年9月16日、東京都港区、江渕崇撮影

 ――市場では政策金利が2%を超えてくるとの見方もあります。

 「2%超への利上げには懐疑的です。足元のインフレはエネルギー高や円安を起点とした供給側の要因であり、旺盛な国内需要によるものではありません。為替防衛のための(景気を熱しも冷やしもしない)中立金利を超えた利上げには、慎重にならざるを得ません」

「全員を救うための緩和」は終わった

 ――個人や企業が「K」の字の形のように上下に二極化する世界的な流れに、日本ものみこまれつつあります。

 「アベノミクスや黒田東彦(…

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