
「日本一富士山に近い空港」と銘打つ富士山静岡空港。9月27日、全日本空輸(ANA)のボーイング737型機を30人ほどの親子が囲んだ。ANAが開いた「航空教室」だ。
「離陸した後はここにランディングギア(降着装置)をしまっています。普段なら見られない場所ですよ」
静岡出身のパイロットや客室乗務員らの説明に目を輝かせる子どもたちの隣で、高校教師の木下幹比呂さん(44)の胸中は少し複雑だった。
家族旅行だけでなく修学旅行の下見でもANAをよく使ってきた。この日も管制官を目指す小学6年生の息子と参加した。「日本のフラッグシップが静岡から飛んでいることが誇りだった。寂しいです」
連載のポイント
日本の航空産業を支えてきた国内線事業が岐路に立たされています。主要各社が実質赤字という逆風のなか、ライバルであるJALとANAの協業もすすんでいます。国内航空を取り巻く危機と今後の動きを伝えます。
ANAが静岡空港からの事実上の撤退を発表したのは今年1月。那覇、新千歳(北海道)と結ぶ2路線を10月から運休し、再開の見通しは立っていない。木下さんが参加した親子教室は、ANAが撤退する4日前に開かれたものだった。
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