【GLOBE特集】日記のひみつ(5)=全6回
日記と言えば、学校の宿題を思い出す人は多いだろう。それで日記を書くのが好きになった人もいれば、嫌いになった人もいるはずだ。いま、日記の世界にもAIの波が押し寄せている。AI日記を導入した韓国の中学校を訪ね、教師や生徒たちに聞いた。AI日記は面白いですか?

静寂に包まれた教室に、キーボードをたたく音が響く。約30人の中学生が机のパソコンに向かって書いているのは、日記だ。
ソウル市にあるシンモク中学校2年のクラス担任教諭、キム・ハヨンさん(34)が呼びかける。「『今日の私の気持ち』を書いて。うまく書けなくてもいいよ。そのまま、ありのままに」
ある女子生徒はこう書いた。「穏やかな気持ちで過ごしたい。テスト準備で疲れているけど、休憩しながらリラックスして過ごしたい。今週は少し遊べたらいいな。勉強しなければいけないけど、まだ時間に余裕があるから。週末に両親と外食に行く予定なので楽しみ」
生徒が提出ボタンをクリックすると、AIによるコメントが表れた。「緊張したり疲れたりしているんだね。でも、こうして自分の気持ちを見つめて、安心できる一日を過ごしたいと思う心はとても大切。あなたは自分の気持ちに気づく『自己認識』の力がすばらしい」。AIは文章を分析し、三つの感情アイコンで表示する。この生徒には「緊張」「疲れ」「普通」がついた。
さらにAIとチャットを続けることもできる。「緊張を解くにはどうすれば良い?」。そこかしこで、生徒とAIの「会話」が始まった。
キムさんは「子どもにとって、自分を知ることはとても大切。自分自身を知らないために生じる問題が多い時代ですから」。感情や考えを見つめ直して表現する、つまり自分自身をよく知るための手段として、日記を活用したいと考えていた。

そうは言っても、全ての日記に自分で目を通し、コメントをつけて返すのは難しい。韓国も日本と同じく、かつては日記が学校の課題の定番だったが、教師の負担が過大になったり、子どものプライバシーを重視する時代の要請もあったりで、以前ほど出されなくなったという。
- 【GLOBE特集「日記のひみつ」第1回はこちら】上白石萌歌さん「日記は自分に戻れる場所」「絶対見られたくない」
そんなキムさんが2年前に目…
