
母乳育児、いつまで続ければよいのでしょうか。かつてはミルクがよいとされた時代もあり、やがて母乳のメリットが見直されるようになりました。一方で、「母乳で育てなければ」と、母親が追い詰められることもあります。小児科医の森戸やすみさんに、母乳をめぐる考え方の変化と、授乳の「やめどき」について聞きました。
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「1歳を過ぎたら、そろそろ母乳はやめたほうがいいんですよね?」
1歳半健診などで、母親からそんな相談を受けることがあります。私は「お母さんも子どもも困っていないなら、子どもがいらないと言うまで続けていいんですよ」と伝えています。
母乳育児をめぐる考え方は、時代とともに変わってきました。
昭和の高度成長期には、むしろミルクのほうが「栄養がある」など、望ましいと考える人も少なくありませんでした。
「断乳」から「卒乳」へ 世間も変化
その後、母乳の良さがあらためて見直されるようになりました。母乳には、赤ちゃんが感染症にかかるリスクの低減、母子の愛着形成など、さまざまなメリットがあることがわかっています。世界保健機関(WHO)も、適切な食事をとりながら2歳以上まで母乳育児を続けることを推奨しています。
日本では、かつて母子健康手帳に、1歳を過ぎたころの「断乳」を促すような記載がありましたが、2002年になくなりました。母親の意思で授乳をやめる「断乳」から、子どもが自然に母乳を求めなくなるのを待つ「卒乳」へと、世間の受け止めも変わってきつつあります。
ところが今でも、「1歳を過ぎたのに、まだ母乳をあげているの?」と周囲から言われたり、保育所への入園を機に母乳をやめて哺乳瓶で飲む練習をするよう求められたりして、戸惑う母親がいます。
真面目な人ほど自分を責めがち
授乳をいつまで続けるかは…
