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俳句時評 岸本尚毅

朝刊歌壇俳壇面で月1回掲載している、俳人・岸本尚毅さんの「俳句時評」。今回は飴山實と佐藤鬼房、2人の俳人の「変化」に注目します。

 〈残雪や山女を炙(あぶ)り雀(すずめ)嚙(か)み〉は飴山實(あめやまみのる)の句帖(くちょう)に残された未発表句。雀を食っているのだ。飴山は今年生誕百年。その全句集が『新装版 飴山實全句集』(朔(さく)出版)として二十余年ぶりに復刊された。

 〈目に見えて秋風はしる壁畳〉〈雨つぶの雲より落つる燕子花(かきつばた)〉などの洗練を極めた句で知られる飴山だが、「終戦直後の社会性俳句時代、六十年安保後の長い試行錯誤時代」(長谷川櫂)があった。「社会性俳句」とは〈起重機にいた貌(かお)を岩壁で陽(ひ)に曝(さら)す〉のような作。このような「労働をモチーフにした」作品を含む第一句集『おりいぶ』から、第二句集『少長集』への作風の大きな変化がこの全句集の読みどころの一つだ。

 飴山が「起重機」の句を詠ん…

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