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 1995年にテレビ放送が始まり、社会現象を巻き起こしたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」。30周年記念展「ALL OF EVANGELION」が東京・六本木の東京シティビューで開かれている。シリーズ最大級の展示となる本展では、直筆の資料を500点以上も公開。屈指のアニメ制作技術を誇るクリエーターたちの思いやこだわりが、会場内に所狭しとひしめいている。

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エントランスに設置されたエヴァンゲリオン初号機のフィギュア。東京の景色を背景に浮かび上がっているように見える=2025年11月13日、東京シティビュー、滝原杏樹撮影

セル画、音、CG…人の手でこだわる映像の全て

 標高250メートルに位置する展望台の入り口で来場者を待ち受けるのは、真っ赤なモニュメントと「エヴァンゲリオン初号機」のフィギュアだ。東京に舞い降りたかのような姿は昼夜で印象が異なる。特に夜景を背にした姿は、作中の一場面を思わせる。

 「胎動」と名付けられた序章は、「新世紀エヴァンゲリオン」の放送が始まる前に考え抜かれた設定資料がずらりと並ぶ。キャラクターの目の幅や表情の作り方、敵である「使徒」の動きや質感、登場する部屋の間取りなどまで作り込まれている。徹底的に練り上げられた設定は、斬新で神秘的な物語が展開していく土台となった。

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第1章には絵の具で描かれたセル画が並ぶ。保管、整理され、30年近く経っても鮮やかさを保っている=2025年11月13日、東京シティビュー、山本倫子撮影

 そしていよいよ放送が始まったテレビシリーズを紹介する第1章では、「セル画」と呼ばれる制作資料を展示。連続した滑らかな動きを表現するためには膨大な枚数の絵が必要で、1話につき何千枚も使用された。本展では厳選された約270点が並ぶ。専用の絵の具で彩色されたセル画は映像で見る以上に色あざやかで、繊細な職人技を垣間見ることができる。

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詳細な設定が書き込まれた展示に見入る来場者ら=2025年11月14日、東京シティビュー、小川奈々撮影

 続く「音」の展示の第2章では、予告編が一挙公開されている。登場人物である「葛城ミサト」のナレーションと印象的な場面が組み合わさった予告は、公開された当時の社会の空気感や、視聴者の期待に応えようとする制作陣の心意気が伝わってくる。

 その後、展示は第3章から「新劇場版」シリーズへ。2007年に公開された「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」から「:Q」まで、原画やレイアウトといった手描きの資料を展示。鉛筆で描かれた線や修正指示などからは、セル画の時代からデジタル上での制作に移り変わっても、「エヴァ」の映像美が人の手で作り出されていることが分かる。

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第3章には鉛筆で描かれた直筆の制作資料が並ぶ。ペンで書き入れられた指示からはクリエーターのこだわりが伝わってくる=2025年11月26日、東京シティビュー、小川奈々撮影

 中でも、「:Q」に登場する「空中戦艦AAAヴンダー」の映像は見どころの一つだ。複雑な形状は3DCGが無くては実現しなかったが、数多くの試行錯誤が重ねられ、完成までに約2年がかかった。本展では初公開となる貴重な制作資料のほか、精密に作り込まれた戦艦の全貌(ぜんぼう)をホログラム映像として浮かび上がらせている。

 最後の第4章では、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の設定資料や印象的な風景の場面写真などを展示。実写映像の撮影手法も取り入れてどのように作品が生み出されていたのか、来場者は物語が迎えたひとつの結末をたどることができる。

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「エヴァンゲリオン」シリーズの様々な場面が集められた第4章のインスタレーション。波の音と共にゆらゆら揺れる様が印象的だ=2025年11月13日、東京シティビュー、山本倫子撮影

 全てを見終わった後に感じるのは、30年にわたって愛される作品の厚みと、こだわり抜かれ進化し続けた映像制作のすごみだ。視聴者が抱く期待のさらに先へと進み続けた作品の歩みを、自分自身の視聴体験や時代と重ね合わせ体感してほしい。

「エヴァンゲリオン」シリーズ

 「14歳の少年少女」が巨大な人造兵器に乗り、未知の敵性体である「使徒」と戦うアニメーション作品。1995年にテレビシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」の放送が始まり、97年には劇場版「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」の2作が公開され、社会現象となった。

 2000年代からは、テレビシリーズを再構成(リビルド)した劇場作品「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの製作が始まった。全4部作の「新劇場版」シリーズは、「:序」(07年)、「:破」(09年)、「:Q」(12年)の3作で、新たなファンの獲得にも成功。21年3月8日、完結編「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が公開され、観客動員673万人、興行収入102.8億円を突破した。

1月12日まで、東京・六本木で

◇2026年1月12日[月][祝]まで、東京シティビュー(東京・六本木)。会期中無休。午前10時~午後10時(最終入場は午後9時まで)

◇一般2400円(2200円)、高校・大学生1700円(1600円)、4歳~中学生1100円(1千円)、65歳以上2100円(1900円) ※全日日時指定制、()内はオンラインチケットの料金

◇展覧会公式ページ https://ao-eva.exhibit.jp/

◇問い合わせ 東京シティビュー(03・6406・6652、受付時間は午前10時~午後8時)

主催 東京シティビュー

企画 朝日新聞社、ムービック・プロモートサービス、ムービック

特別協力 カラー、アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)、グラウンドワークス:

協賛 ぴあ

後援 TOKYO FM

※東京会場の後、福岡市の福岡市科学館(1月24日[土]~3月15日[日])、岡山などへ巡回予定

いずれも©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA製作委員会 ©カラー

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