
愛媛県立長浜高(大洲市)3年の河野瞬さん(17)が、5月に米アリゾナ州フェニックスで開かれる国際大会ISEF(国際学生科学技術フェア)に出場する。ミナミトビハゼの体の表面を覆う粘液に注目した研究が国内大会で高く評価され、日本代表の一員に選ばれた。
同校には校内に水族館があり、全校生徒約150人のうち、100人以上が水族館部に所属する。生徒一人ひとりに専用の水槽が与えられ、好きな水生生物を飼育する。近くの海岸で採集したり、ペットショップで購入したりと、生物の入手方法は自由だ。
水族館部に所属する河野さんは、ミナミトビハゼのくりくりとした目と小さな体の愛らしさにひかれ、高2の春から、この魚の身体を覆う粘液の作用について研究を始めた。
ちょうどその頃、同じ教室にある別の水槽で、魚の感染症が広がる出来事があった。次々と魚が死んでいくなか、ミナミトビハゼは変わらず元気だった。同じ濾過(ろか)槽の海水を使っているのに、なぜ違いが出たのか――。河野さんは、魚の体表を覆う粘液が関係しているのではないかと仮定。ミナミトビハゼの粘液を塗ったガラス板を、菌が入った液体に浸し、ウナギやヒラメなど他の魚の粘液と比べる実験を繰り返した。
その結果、ミナミトビハゼの粘液を塗ったガラス板には、他の魚に比べて付着する細菌数が少ないことが確認された。
ミナミトビハゼは、水中だけでなく陸上でも生活するため、細菌にさらされる機会が多い。そのため、体表の粘液が細菌の付着を抑える役割を果たしているのではないかと、河野さんは考えている。
この研究成果が評価され、昨年12月に行われた「JSEC(高校生・高専生科学技術チャレンジ)」(朝日新聞社・テレビ朝日主催)で、協賛社賞の荏原製作所賞を受賞し、国際大会への出場権を得た。
3月30日には、神奈川県藤沢市にある荏原製作所藤沢事業所の研究施設を見学。VR映像や3Dプリンターなどで、ポンプや関連部品の製造過程を学んだ。鈴木俊昭所長は「自由な発想で研究を行う高校生を応援していきたい」と話した。
ISEFは、60以上の国・地域から1600人以上の高校生らが集まる、世界最大級の科学技術コンテスト。河野さんは「英語での発表は初めての体験。海外の高校生との交流も楽しみです」と語った。















