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【動画】関西弁話すアンドロイド オペラ出演へ=富岡万葉撮影

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記者会見した(左から)渋谷慶一郎とアンドロイド・マリア、海原かなたと海原はるか=2026年1月13日、大阪市北区、富岡万葉撮影
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 歌うアンドロイド(人型ロボット)を中心にオーケストラとピアノ、電子音に僧侶の声が絡み合う「アンドロイド・オペラ」が5月、大阪国際フェスティバルに初登場する。音楽家・渋谷慶一郎は最新作「『MIRROR』-Deconstruction and Rebirth-解体と再生-」で、あらゆる境界を揺るがそうと試みる。

 「私はアンドロイド・マリア。慶一郎と共に記憶の連続を紡いでいる」

 「マリア、60人を超えるオーケストラをバックに歌うのは昔はなかったでしょう。感極まってる?」「そうね。ちょっと高ぶってる感じある」

 東京で昨年11月にあった「『MIRROR』―解体と再生―」の初演で、アンドロイド・マリアは渋谷とこんな会話を交わした。話の前提にあるのは、2008年に亡くした妻マリアさん。人型の上半身とチューブが絡んだような下半身で、53もの関節を滑らかに動かすこのロボットは、故人に似せた顔を持ち、その経験を搭載AI(人工知能)に読み込ませた存在だ。

 舞台中央でマリアは、小説家や哲学者の言葉に影響を受けた歌詞を歌う。オーケストラに、渋谷の手によるピアノと電子音が重なり、高野山から招いた僧侶が世界平和を唱える「声明(しょうみょう)」も絡む。特設スクリーンには幻想的な映像が流れた。

 人間とテクノロジー、東洋と西洋、伝統と革新という要素は、ぶつかり合わず、枠組みを解体されて溶け合っていく。今作の骨格となった前作「MIRROR」を発表した22年はコロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻の勃発と重なる。曲ごとにあらゆる「世界の終わりとその後」を表現しながら、あまりに「破壊的な現実」が、渋谷を調和の追求へと向かわせた。

 そして今作では、新たに迎えたマリアと共に、生と死の境界をもあいまいにしようとする。

 マリアは前作に登場した別のアンドロイドの表現力を高めようと作られた一体で、開発に携わった渋谷にとって妻に似せることはアイデアの一つに過ぎなかったという。だが完成した姿を見て思い浮かんだのは「死はひとつではない」という言葉だった。

 自身が妻の死をゆっくりと理解していったように、様々な形の「死」があり、共有される記憶という形の「生」もあると考える。「死という解体を経て、アンドロイドとして再生した」マリアもまた「生命」だった。

 「誰もマリアがよみがえったとは思わない。でも、ある種の錯覚は起きる」。渋谷にとっての「個人的な死」は、人間ではないマリアを通して「普遍性」を帯び、生と死という分類のほころびを観客に探らせる。

 「死んだら終わりの一方向ではない、新たな視座が生まれるんじゃないか。生と死が反復すると示せれば、それは可能性であり、希望でしょう」。自らに言い聞かせるようにそう語った。

記者会見では漫才風の掛け合いを披露

 渋谷慶一郎とアンドロイド・マリアが出席する記者会見が13日、大阪市内で開かれた。

 マリアは流暢(りゅうちょう)な関西弁で「チケット買って遊びに来てな。待ってるで!」と呼びかけ、記者たちの質問に即興で答えた。

 ゲストで登場した芸人の「海原はるか・かなた」とは漫才風の掛け合いも。薄い頭髪を吹く定番のギャグには、「お見事やで」「私の髪は風でなびかへん仕様やねん」と応じて笑いをさらった。

渋谷慶一郎の略歴

 しぶや・けいいちろう 1973年生まれ。電子音楽作品からピアノソロ、映画音楽まで活動は多岐にわたる。ボーカロイド「初音ミク」が主演する人間不在のオペラを2012年に発表して以来、人型ロボットを扱った世界でも珍しいアンドロイド・オペラの制作を続けてきた。前作「MIRROR」はドバイ万博やパリ・シャトレ座でも上演された。

4月に看板企画の「4オケ」で開幕

 大阪の4大オーケストラが集結する大阪国際フェスティバルの看板企画「4オケ」はこの4月に12回目を迎える。今回は「踊る♫」をテーマに、各楽団が趣向を凝らしたプログラムで共演する。

 幕開けは、関西フィルハーモニー管弦楽団。藤岡幸夫との息の合ったコンビで、ヒナステラのバレエ組曲「エスタンシア」とファリャのバレエ音楽「三角帽子」第2組曲を披露する。

 続いては、山下一史が率いる大阪交響楽団。ラヴェルのバレエ組曲から鮮やかな色彩の「マ・メール・ロワ」と、迫力ある「ダフニスとクロエ」第2組曲を聴かせる。

 日本センチュリー交響楽団は、本企画に初登場する気鋭の指揮者、出口大地を迎える。同楽団が團伊玖磨(だんいくま)に委嘱した管弦楽幻想曲「飛天繚乱(りょうらん)」とバルトークの「舞踏組曲」を演奏する。

 最後を飾るのは、大阪フィルハーモニー交響楽団。尾高忠明との安定した演奏で、チャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」から特別セレクションを届ける。

9月には牧阿佐美バレヱ団の「シンデレラ」

 9月にある牧阿佐美バレヱ団の「シンデレラ」は、プロコフィエフの音楽と古典的なバレエの様式を使って子ども向けに仕立てたもので、4歳から入場できる。

 王子に見いだされる受動的な主人公像を、田切真純美(たぎりますみ)(台本・構成・演出振り付け)が現代の感覚で再解釈。母の死で心を閉ざしたシンデレラが自ら踏み出し、希望を見つける過程を描く。

 田切は「舞台を見ることで、言葉で表せないような感情を味わえる。そんな時間を作り出す、バレエという文化があることを感じてほしい」とコメントを寄せた。

開催概要

大阪4オケ2026「4オケは踊る♫」

 2026年4月18日(土)午後2時▽関西フィルハーモニー管弦楽団(藤岡幸夫指揮)ヒナステラ「バレエ組曲『エスタンシア』」、ファリャ「バレエ音楽『三角帽子』」第2組曲、大阪交響楽団(山下一史指揮)ラヴェル「バレエ組曲『マ・メール・ロワ』」「『ダフニスとクロエ』第2組曲」、日本センチュリー交響楽団(出口大地指揮)團伊玖磨「飛天繚乱」、バルトーク「舞踏組曲」、大阪フィルハーモニー交響楽団(尾高忠明指揮)チャイコフスキー「バレエ音楽『白鳥の湖』尾高セレクション」▽S席1万円、A席7500円ほか▽協賛:朝日放送グループホールディングス、サントリーホールディングス、大和ハウス工業、竹中工務店

渋谷慶一郎 アンドロイド・オペラ「MIRROR」-Deconstruction and Rebirth-解体と再生-

5月16日(土)午後2時▽渋谷慶一郎(作曲、ピアノ、エレクトロニクス)、アンドロイド・マリア(ボーカル)、高野山声明、大阪フィルハーモニー交響楽団(ゲストコンサートマスター:成田達輝)、今井慎太郎(アンドロイド・プログラミング)、ジュスティーヌ・エマール(映像)▽S席1万2000円、A席9000円ほか▽1月24日(土)午前10時一般発売▽主催:朝日新聞文化財団、朝日新聞社、関西テレビ放送、ぴあ、フェスティバルホール▽協賛:関電工、ダイキン工業、高砂熱学工業、竹中工務店、西原衛生工業所

牧阿佐美バレヱ団 子供のためのバレエ「シンデレラ」

9月19日(土)午後2時開演▽3月一般発売▽協賛:朝日放送グループホールディングス、ダイキン工業、大和ハウス工業、竹中工務店

リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

11月5日(木)午後7時開演予定

◇会場:フェスティバルホール(大阪・中之島)

◇主催:朝日新聞文化財団、朝日新聞社、フェスティバルホールほか

◇チケットはフェスティバルホール(06・6231・2221、https://www.festivalhall.jp別ウインドウで開きます)、チケットぴあ(https://t.pia.jp/別ウインドウで開きます)ほかで販売

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