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健康診断の結果、放置していませんか?

 みなさん、血圧をはかっていますか? 今回は、「要注意」に要注意、がテーマです。秋の健康診断シーズンを前に、弘恵会ヨコクラ病院(福岡県みやま市)の甲斐久史医師に語ってもらいます。

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諸外国と比べた日本の現実

 日本には4300万人ほど、高血圧の人がいると言われていますが、治療につながっている人は6割弱しかいません。しかも、治療を受けている人のおよそ半分は、血圧が目標値まで下がっていません。

 「血圧のコントロールが良好」な人は、残念なことに30%弱しかいないという事実。米国では50~60%、食文化などが似ているお隣の韓国でも50%ほどが「コントロール良好」と言われていますので、日本がとても低い、ということをおわかりいただけるでしょうか。

痛くもかゆくもないから…放置

 どうして日本人の血圧コントロール率が低いのか。

 原因ははっきりとはわかりませんが、「痛くもかゆくもないのでほったらかしている」というのが一つの大きな原因です。「薬を飲みたくないなぁ」という思いの強さも、関係しているのかもしれません。

 ところで、みなさんは職場の健康診断などで、血圧の値が「要注意」と指摘されたことがありますか? 多くの場合、上の血圧が130~139mmHgだと、健診結果の欄に「要注意」や「B」といった表示がされていると思います。140mmHg以上は、医療機関への受診が推奨される「要再検査」「C」などにあたります。

 要治療ではないから、大丈夫、と思ってしまいがちですが、放置すると実はとてもリスキーだ、ということが最近の研究で分かってきています。

脳卒中や心不全などのリスク、30%増

 東京大学などが昨年発表した、約52万人分の健診データを解析した研究があります。主に企業などに勤める20歳以上の日本人の、2005~21年に登録されたデータを分析した大規模な研究です。

 これによると、健康診断で上の血圧が130以上だった人が、そのまま2年以上放置していると、脳卒中や心不全などを経験するリスクが、40代の人で30%ほど上がることがわかりました。死亡のリスクは60%も上がっていたのです。

 驚くべき数字ですが、リアルワールドのデータを解析してわかってきた、現実です。

 血圧が高め、と指摘されたことのある方は、どうか放置せず、一度受診を考えて欲しいと心から願っています。

血圧を下げる薬、基本は5種類

 診察では、まずは問診をして、はじめの1カ月は生活習慣の改善に取り組んでいただくのが一般的です。運動不足の解消や、食事での減塩、アルコールの飲み過ぎの見直しや、禁煙、減量……。こうしたことに1カ月取り組んでみても、やはり血圧が高い場合に、血圧を下げる薬を飲みはじめることを考えます。

 血圧を下げる基本的な薬は、主に5種類あります。患者さん一人ひとりの状態に合わせて、薬を組み合わせていきます。

 「カルシウム拮抗(きっこう)薬」は、血液のめぐりを良くする薬で、動脈硬化が進んだ、たとえて言うなら「血管ガチガチ型」の方も使いやすい薬です。

 「ACE阻害薬」や「ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)」は、血管を拡げる薬で、ストレスなどで血管がぎゅーっとしまりやすい、「血管ギュウギュウ型」の方に効果的です。

 「サイアザイド系利尿薬」は、体内から塩分を排出するのを助ける薬で、体の水分量が多い「パンパン型」の方に用います。

 「β遮断薬」は、心臓の働きを少し抑えてくれる薬です。「心臓バクバク型」の方に効果的です。

 薬は1種類からはじめ、作用の異なるものを組み合わせて使うことが多いです。

動脈硬化が進む前に

 高血圧の治療は、できればまだ血管が硬くなりすぎていないうちから始めることをおすすめします。そのほうが、薬を減らしたり、少ない量でコントロールしたりできる可能性も高いのです。

 健康診断で「要注意」などと指摘されたら、ぜひ一度、高血圧の専門医などを受診してみてください。

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