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論説委員コラム「序破急」

 2015年のクリスマスの朝。電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が東京都内の女子寮で自ら命を絶ってから、10年の月日が流れた。

 命日にあわせて毎年手記を公表してきた母親の幸美さんは、今年は24日に手記を公表するとともに記者会見に臨んだ。

 精神障害を発症して過労自殺したとして、娘が労災認定されたと公表したのは16年秋。当時と同じ厚生労働省内の会見室で、過労死問題の風化が「本当に悲しい」と語り、10年の節目に「ぜひとも娘への思いや、日本の現状への思いを話したいと思った」と口にした。

 「働くことが人の命を奪ってはならない。その当たり前のことをかつて日本中がまつりの死を通して気づいたはずです」「これ以上、まつりのような過労死の犠牲者を増やさないでください」。社会に訴える手記を読み上げた会見の冒頭では嗚咽(おえつ)をもらし、声を詰まらせる場面もあった。社会的関心の風化を憂える思いは痛いほど伝わってきた。

写真・図版
記者会見で話す高橋まつりさんの母、幸美さん=2025年12月24日、東京・霞が関の厚生労働省、木村裕明撮影

 幸美さんは7年前から厚労省…

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