
3月15日付朝日歌壇の入選歌40首をお届けします。選者は永田和宏さん、川野里子さん、佐佐木幸綱さん、高野公彦さんです。☆は共選作です。
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永田和宏選
そう言えば北京五輪の直後だったこんな理不尽いつまで続く(市川市)末長 正義
オリンピックのドローンの羽音戦場に聞かねばならぬ兵士の恐怖(観音寺市)篠原 俊則
転ばぬやう怪我せぬやうにと抱へられ運ばれてみたし一生に一度(さいたま市)中田 裕子
☆私にもふわりとやって来た不思議生まれた家を実家と呼ぶ日(富山市)松田 梨子
保土ケ谷(ほどがや)の谷(や)に納得の坂くだる梅林園のさわやかな道(横浜市)田中 廣義
指先にクリーム塗って点字読む盲学校の図書室の子ら(半田市)森下 久子
非常ベル鳴っているのに気づかないふりをしている我ら人類(東京都)富尾 なつ
いつよりか史実を自虐と蔑(なみ)しつつ歴史を歪める国になりいつ(君津市)内川 英夫
仁丹とメンソレータムと救心を常に持ちいし昭和の父は(橋本市)秋月 晶江
わが庫裡(くり)が投票所でありし頃裏口より入り勝手口より出し(東根市)庄司 天明
【評】末長さん、二〇二二年二月にロシアのウクライナ侵攻が始まった。四年に一度の五輪、その間ずっと続く戦闘。篠原さん、五輪でのドローンの活躍には目を瞠(みは)ったが、戦場では恐怖以外のものではない。中田さん、りくりゅうペアを見ての思い。
川野里子選
父の忌はグラビアで見し轟沈…






