
寒さが強まった11月下旬、東京・歌舞伎町。大久保公園周辺の路上やラブホテルが立ち並ぶ通りには、ホテルの入り口に隠れるようにして立つ女性たち、そして女性たちを物色するように眺め、声をかける男性たちの姿があった。
「みな不安定な表情で、内密出産を希望して来院する女性たちにとても似ているんです」。女性たちの姿を見て、蓮田健さんはそうつぶやいた。
蓮田さんが院長をつとめる慈恵病院(熊本市)は、周囲に知られずに医療機関で出産できる「内密出産」や、育てられない子を匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」に取り組んでいる。内密出産やゆりかごに助けを求める女性たち、新生児殺害や遺棄に至った女性、孤立出産する女性たちを「緊急下の妊婦」と位置づけて支援してきた。
2021年からは12件の新生児遺棄、殺害事件の裁判にかかわり、被告となった女性に面会。精神科医とともに意見書を書いたり、証人として出廷したりしてきた。
女性たちに共通点は多い。自らの妊娠や出産をかたくなに隠そうとする。虐待を受けるなど親子関係が非常に悪く、家族や交際相手など、もっとも信頼したい人たちからの裏切りを経験している。さらに貧困や孤立、社会生活への適応能力が低いなど、複数の困難を抱えながら支援につながっていない――。
そして性産業とのつながりだ。
慈恵病院では21年12月の…







