
米国各地で7月、水道施設へのサイバー攻撃が相次ぎました。実行主体は未確定ですが、イランとの関連が指摘されています。米戦略国際問題研究所(CSIS)のニキータ・シャー上級フェローは、11月の米中間選挙を狙い、米国民を混乱させる情報工作が起きる可能性を指摘します。
- 米ミネソタ州で30超の水道施設にサイバー攻撃 イラン関与の可能性
――イランのサイバー戦能力を、米国やロシア、中国と比べてどう評価しますか。
米国と中国が、サイバー空間で最も高度な能力を持つアクターだと思います。その1段下の第2グループに、イラン、ロシア、北朝鮮を位置づけています。イランは、米国の複数の分野にまたがる重要インフラを攻撃する能力に秀でていると思います。
――イランのサイバー戦の特徴は何ですか。
イランは多様なサイバー作戦を実行する能力を持つと指摘されています。米国との対立に備えた情報収集、知的財産の窃取、体制への脅威の特定などを目的としたサイバー諜報(ちょうほう)が挙げられます。
金銭目的で攻撃する犯罪者集団とのつながりも指摘されています。周辺地域や米国などの世論に向けた情報工作にも、長年関与してきたとみています。
イランは米国との対立で、サイバー戦を使って作戦環境を整えていると思います。サイバー諜報を使って、軍事活動や外交を支えているとみています。情報工作によって国際世論に働きかけたり、米国内の世論の分断を図ったりしている可能性があります。サイバー作戦で自らの影響力を実際よりも大きく見せている可能性もあります。
【連載】読み解く 世界の安保危機 牧野愛博
ウクライナにとどまらず、イラン情勢や台湾、北朝鮮、サイバー空間、地球規模の気候変動と世界各地で安全保障が揺れています。現場で何が起き、私たちの生活にどう影響するのか。のべ520人以上の国内外の識者へのインタビューを連載でお届けします。
■地域や個人の監視で、防犯カ…
