朝日地球会議とRe:Ronの連携セッション「AI時代に何を読む? 三宅香帆×田村正資 問いが世界をひらく」に登壇した、三宅香帆さん=9月2日、東京都港区の書店「文喫 六本木」

 「話そう AI時代の世界と持続可能な幸せ」をテーマに開催される「朝日地球会議2026」。朝日新聞の言論サイトRe:Ron(リロン)との連携セッション「AI時代に何を読む? 三宅香帆×田村正資 問いが世界をひらく」のオンライン配信が11月2日から始まる。セッションに登壇する文芸評論家の三宅香帆さんに、AI時代に「読む」ことの意味や本の可能性について、聞いた。

朝日地球会議2026

「朝日地球会議2026」は10月23日から東京都内でリアルとオンラインで開かれます。文芸評論家の三宅香帆さんと哲学者の田村正資さんがAI時代の読書や本の可能性などについて語るオンラインセッションは11月2日から配信が始まります。

 今は日常の中で、本を読むとか、ゆっくり何かを考えるとか、そういう営みのための時間がなかなか取れないような社会になっています。そこに抗(あらが)いたい、という気持ちは意外と多くの人が持っているのではないでしょうか。

 文字ってすごく情報が圧縮されているんです。本のほうが実は動画よりも情報量があって、作者1人から伝えられるものが多い。私は一番書きたいことは本で書き、その導入を動画などで作れたらと思っています。

 でもその分、本を1冊丸々読んでもらうってすごく難しい。負荷が高い行為になってきていて、本から離れていってしまう人が増えているのだろうと思います。

 7月に私が開いたブッククラブ(読書会)は『推したちとどう生きるか』という私の新刊を一緒に読むイベントで、まずは集まった人たちと90分かけてその場で本を読みました。「すごく集中して読めた」と言っていただけたことがうれしかったです。

 読書会や文学フリマといったイベントになることで、本を読むことを楽しんでみよう、と思うきっかけになるといい。

 私自身は、考えたいことがあるとき、それに沿って本を選びます。そのように、自分の中に「問い」があると、より面白く本が読める。

 たとえば、芥川賞や直木賞の候補作は「皆がいま求めているものは何か」という気持ちで読むことが多い。皆が読んでいるような本を読むときにも、知りたい問いを意識しながら読む。すると、「面白かったかどうか」だけではなく、それに対しての「自分なりの答え」も見つかると思います。

 YouTubeでは各地の書店を紹介しています。書店に行く人が減ると、どうやって書店を回っていいか分からない、書店自体の面白さが伝わりづらい、となってしまう。自分自身、中高時代に本や書店があってすごく良かった。今も大事な場所だと思っています。

 これからのAI時代、書き手の思想のようなものがより大事になる気がしています。なので、作者の世界観や思想が出ているものを読みたい、と思います。

 書き手としては、ジャンルを越境することは人間の強みではないかと思うので、そうした発信をしていきたい。自分の興味が向くところをこれからも書いていけたらうれしいなと思います。

三宅香帆さん略歴

 みやけ・かほ 1994年高知県生まれ。著書に「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」「考察する若者たち」など。

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