暗号資産(仮想通貨)交換業大手バイナンスがハッキング被害を受けた事件で、米連邦捜査局(FBI)は10月31日、北朝鮮による犯行だと発表した。盗まれた暗号資産は約63億ドル(約9900億円)相当にのぼる。
北朝鮮はどのようにして、巨額の暗号資産を盗み出すサイバー攻撃能力を身につけたのか。
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関係国の政府や脱北者らの証言によれば、北朝鮮は1980年代からサイバー戦要員の育成を進めてきた。北朝鮮のハッキング事件を扱った韓国・ソウル中央地裁の2015年2月13日付判決文によれば、北朝鮮は「20世紀は弾薬の戦争だったが、21世紀は情報の戦争だ」として、早くからサイバー戦を意識した動きを見せてきたという。
【連載】北朝鮮の表と裏
北朝鮮はロシアや中国に接近する一方、日本批判を繰り返しています。各国の調査や脱北者の証言を積み重ねると、北朝鮮が長く自称する「地上の楽園」の表と裏が浮かび上がります。最新情勢を連載でお伝えします。
脱北者によれば、1980年代半ばから、金一軍事大、金策工業大、平壌コンピューター技術大などで、あわせて毎年約300~500人のサイバー戦要員を育成してきた。日本の公安関係者によると、90年代には東京・秋葉原で中古パソコンが大量に購入され、北朝鮮に送られたことが確認されたという。
こうした人材育成は、その後、大規模なサイバー部隊へとつながった。
バイナンス被害、北朝鮮の年間貿易額の2倍
米陸軍は20年7月24日付…
