
横幅100メートルを超す、バンテリンドームナゴヤ名物の巨大LEDスクリーン、通称「106ビジョン」が青く染まる。目を見開いた男の顔が、そこに大写しになる。
いや、顔というより、両目のアップと言っていい。
プロ野球の中日ドラゴンズが、本拠地で戦う試合の最終盤。2025年シーズンですっかりおなじみになった、頼れるクローザーの登場だ。勝利の期待と予感に、観客が酔う。
松山晋也、25歳。26年のシーズンで、プロ4年目を迎える。「目ぢから」をアピールする右腕はいまや、球界一のシンデレラボーイとなった。
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青森県のJR八戸駅から東へ車で約30分。八戸学院大で野球に打ち込んでいた3年半前、松山の名前は、それほど知られていなかった。
球は速いが、好不調の波が激しい。ただ、投げっぷりはよかった。そこを中日に買われた。
22年秋のドラフト会議で、育成1位で指名された。このときから、角度のある速球とフォークを携え、空へ駆け上がっていく竜となる。
1年目の6月に支配下登録を勝ち取った。36試合で起用され、防御率1・27の成績を残した。
2年目は、当時の守護神ライデル・マルティネスの前を投げる、終盤の重要なポジションを任された。43ホールドポイントを挙げ、最優秀中継ぎ投手の初タイトルを獲得。
3年目の25年、巨人に移籍したマルティネスの後継として白羽の矢が立った。試合を締めるクローザー。チームの勝敗を託される立場になった。
夏場に右ひじを故障し、1カ月あまり戦列を離れた。にもかかわらず、セーブ数46はセ・リーグの歴代最多タイ。セーブを挙げられる場面での失敗は1度だけだった。「尊敬している」という前任のマルティネスとタイトルを分け合い、がっちり握手した。
大事にしている言葉がある。
「全力に悔いなし」
大学3年時の試合で初登板に…








